サンタ・リタ・ヒルズの冷涼なテロワールがもたらす、緊張感とエネルギーを備えたヴィラージュ的シャルドネ。
サンディは、2010年にラジャ・パーとサシ・ムーアマンによって設立された少量生産のワイナリー。
サンタ・バーバラ・カウンティの中でも、ピノ・ノワールとシャルドネの聖地と称されるサンタ・リタ・ヒルズにフォーカスし、テロワールを最優先にしたワイン造りを行っています。
ワイナリーの哲学は、「人・土壌・ブドウ」というワイン造りに不可欠な三要素を一つの“形”にすること。
果実の甘さや樽香を前に出すのではなく、酸、ミネラル、骨格を通じて土地の個性を明確に表現するスタイルを貫いています。
2021年ヴィンテージからは使用するブドウの選別基準がさらに厳格になり、Hines Family Estate と Domaine de la Côte の自社畑のブドウのみを使用。
特にDomaine de la Côte の自社畑比率が90％以上を占めることで、Sta. Rita Hillsを「村名クラス」に見立てた本気のヴィラージュ・シャルドネとして完成度を高めています。
醸造とスタイル
土着酵母のみで発酵。
シャルドネはゆっくりとした長めのプレスサイクルを行い、アロマの純度を重視。
マロラクティック発酵は行うものの、澱は攪拌せず、テクスチャは自然に形成されます。
熟成はパンチョン、旧樽、コンクリートタンクが中心で、新樽使用は控えめ。
加水・補糖・補酸は行わず、酵素や安定剤も一切使用しない、極めてナチュラルな造りです。
テイスティングノート
凝縮感のある果実味に、砂糖でまぶした柑橘の皮、ネクタリンのニュアンス。
シーソルトを思わせる塩味と、ほのかなスパイス、ほとばしるような高い酸が全体を貫きます。
控えめに溶け込んだオークの香りが、ワインに立体感とインパクトを与え、緊張感のある長い余韻へと続きます。
おすすめペアリング
牡蠣、ホタテ、白身魚のカルパッチョなど、塩味とミネラルを活かした料理と好相性。
レモンや柑橘を添えた魚介のグリル、鶏肉のロースト（ハーブ控えめ）もおすすめです。
和食では、白身魚の昆布締め、塩で食べる天ぷら、貝類の酒蒸しなどと美しく調和します。
総評
サンタ・リタ・ヒルズのテロワールを、誇張なく、しかし極めて鮮明に映し出したシャルドネ。
ブルゴーニュ的な緊張感と構造美を、カリフォルニアの冷涼産地で表現した、完成度の高い一本です。