2017年のルビコンは、広がりがあってとても魅惑的な深みのあるワインに仕上がりました。一口目の後にはわくわくするような複雑さが広がり、それが表現力を高めています。ラズベリー、アメリカンチェリー、そして黒スグリのような完熟した赤系と黒系果実の香りがしっかりと感じられます。継ぎ目のないスムーズな口当たりと、繊細で洗練されたタンニンがあります。長く続く余韻には、さわやかなクレーム・ド・カシスやココア・パウダーの香りがあります。2017年の冬と春には合計で1270㎜程の十分な降雨量があり、そのため開花と結実まではとても順調に進みました。2017年のルビコンに使用されたブドウは、有機栽培されている自社畑の中でも選りすぐりの区画の美しい果実のみが選ばれています。メルロは8月31日に収穫され、カベルネ・ソーヴィニョンは9月5日に開始され、9月28日のカベルネ・フランの収穫で幕を閉じました。全体的にバランスの取れた酸があり、最終的なブレンドにも明らかなフレッシュさが感じられます。イングルヌック・ヴィンヤードはグスタフ・ニーバムによって1879年に設立されました。フィンランド人であるグスタフは巨大な富を活用し、ナパにヨーロッパのブドウの苗を持ち込みました。その後、伝説のジョン・ダニエルの指揮の下、数十年かけて最も高い評価を得る事になるワインを造り上げました。しかし、フランシス・コッポラとエレノア夫人が1975年に敷地の一部を購入する頃は、イングルヌックの名前も売却され、ワイナリーとしても崩壊していました。コッポラ夫妻は20年をかけて売却されてしまった畑を徐々に買い戻し、醸造設備にも投資をし、歴史あるイングルヌックのシャトーを改築しました。イングルヌックは現在、昔と同じワイナリーに再現され、再びアメリカの偉大なワイナリーへと復活しました。そして、2011年4月、フランシス・フォード・コッポラはナパの象徴的なワイナリーである「イングルヌック」の商標権をザ・ワイン・グループより取得しました。これ以降、ナパ・ヴァレーの著名なワイナリーであるルビコン・エステートは、歴史ある名称「イングルヌック」として生まれ変わります。この同じ年から、フランスのボルドー一級シャトーの一つ、シャトー・マルゴーのディレクター、故ポール・ポンタリエの下で20年間以上キャリアを積んだ醸造家フィリップ・バスコールがイングルヌックの醸造を担当しています。バスコールは農業学の学位を持ち、モンペリエの大学院で醸造学を専攻しました。そして、2017年3月からは、フィリップ・バスコールがシャトー・マルゴーのマネジング・ディレクターとイングルヌックのディレクター・オブ・ワインメーキングを兼任します。イングルヌックのフラッグシップ・プロプライアタリー・ワインである「ルビコン」の名称は引き続き継続し、オールド・ワールド・スタイルでワイン造りをしてきたバスコールが、この偉大なニュー・ワールド・ワイン「ルビコン」に献身する醸造チームを引率します。バスコールは、ポムロールの著名な醸造コンサルタント、ステファン・デュルノンクールとコンタクトを取りながらワイン造りを進めて行きます。現在ではセカンド・ワインとして知られるカベルネ・ソーヴィニョンの他に、新しくサードワインとして「I882」が生産されています。また、2013ヴィンテージより敷地内に最近植えられたソーヴィニョン・ブランがラインナップに加わり、今後の発展が期待されます。
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