サン・テミリオンの巨匠が“シャトー名”ではなく、品種とテロワールに向き合った意欲作。
このワインを手がけるのは、サン・テミリオンの名門
シャトー・アンジェリュスを率い、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセAへと押し上げた立役者、ユベール・ド・ブアール。
本キュヴェは、彼自身の名を冠しながらも、あえて「シャトー」を名乗らず、
ボルドーにおけるテロワールと単一品種の表現に正面から挑んだ、新しいコンセプトのボルドーワインです。
選ばれた畑は、
・ラランド・ド・ポムロール
・モンターニュ・サン・テミリオン
いずれも右岸らしい粘土石灰質土壌を持ち、カベルネ・フランの個性を引き出すにふさわしい区画です。
栽培面積はわずか2ha、生産量も年約9,000本という極めて限定的なプロジェクトです。
土壌は粘土石灰質。
収穫は小さなカゴを用い、畑での厳格な選果を実施。健全な果実のみを使用します。
マセラシオン後、26〜28℃で約6日間のアルコール発酵。
その後、フレンチオーク樽(約1/3新樽)で熟成。
アンジェリュスで培われた精密な醸造哲学を背景に、
力強さよりも品種の純度、質感、テロワールの輪郭を際立たせた仕上がりです。
深みのあるルビーレッド。
カシスやブラックチェリーに加え、スミレ、黒胡椒、ほのかなハーブのニュアンス。
口当たりは緻密で、カベルネ・フランらしい張りのある酸と、石灰質由来の引き締まったミネラル感が骨格を形成します。
タンニンはきめ細かく、果実味と一体化しながら余韻へと続き、
右岸ボルドーでしか表現できないエレガントさと緊張感を感じさせます。
カベルネ・フラン 100%
・鴨胸肉のロースト(赤ワインソース、ベリーソース)
・仔牛のグリル、ローストポーク
・マッシュルームやトリュフを使った料理
・ハーブを効かせたラム
・熟成させすぎないハードタイプのチーズ
品種由来の酸とハーブ感が、肉料理やキノコ料理と特に好相性です。
ボルドー右岸の巨匠が到達した、**“品種で語るボルドー”**という新たな表現。
シャトーの格式に頼らず、テロワールとカベルネ・フランの本質を追求した、
現代ボルドーの知性と美学が詰まった一本です。
アンジェリュスの名声を知る方ほど、その挑戦的な姿勢に唸らされるでしょう。