特級畑の足元に広がる、ジュヴレイの気品と柔らかさを体現する一級下クラスの名区画。
「ジュヴレイ=シャンベルタン」という名は、1847年にルイ・フィリップ王の勅令によって誕生しました。
この「レ・スヴレ(Les Seuvrées)」は、特級畑マゾワイエール=シャンベルタン、シャルム=シャンベルタンのすぐ下に位置する、極めて恵まれたリューディです。
畑名の由来は、ラテン語の Separatas(分けられた場所)。
かつて村の境界線上にあり、土地が二分されていた歴史を持つ区画です。
テロワールの魅力
樹齢約60年のヴィエイユ・ヴィーニュが根を張るのは、
コム・グリサールから流れ込むミネラルを含んだ砂利混じりの土壌。
朝日をしっかりと受ける緩やかな斜面は、ブドウの成熟を穏やかに促し、
力強さよりも「しなやかさ」「上品さ」「丸み」を備えたジュヴレイらしい表情を引き出します。
味わいの印象
赤系果実を中心とした気品ある果実味に、きめ細かなタンニン。
口当たりは柔らかく、角の取れた質感が広がり、
余韻は静かに、しかし長く続きます。
力で押すタイプではなく、
ジュヴレイ=シャンベルタンの中でもエレガンスに寄ったスタイルが際立つ一本です。
ペアリングのおすすめ
牛フィレ肉のトルネードステーキや、
軽く火入れした仔牛のローストなど、繊維がきめ細かく上品な肉料理と好相性。
ワインのしなやかさと料理の質感が寄り添い、互いを引き立て合います。
総評
特級畑直下という立地がもたらす、
ジュヴレイの構造美と柔らかさを兼ね備えたクラシックなスタイル。
ミシェル・マニャンらしいテロワール重視の造りが光る、
落ち着いた熟成にも期待したい一本です。