ワイン造りの哲学:シャルドネは、ピノ・ノワールと同様に非常に繊細なブドウ品種です。
注意を怠ると、ワインメーカーの意図が強く表れすぎてしまい、畑の個性が二の次になってしまうことがあります。
アデルスハイムでは、ワインが生まれる場所―畑や土壌、そして私たちが故郷と呼ぶこの美しい土地―を大切にしたいと考えています。
長年にわたるワイン造りの中で、その想いを実現するためには、抑制こそが鍵であると学んできました。
そのため、私たちは比較的早めに収穫を行う傾向にあり、そうしたアプローチによってもたらされる生き生きとしたエネルギーとエレガンスを重視しています。
発酵前に酸素を過度に取り込まないよう、果汁は還元的に処理しています。
発酵や熟成には可能な限り500リットルのパンチョンを使用しており、重く扱いにくいという難点はありますが、オークの影響が穏やかであることを優先しています。
また、比較的豊富にある澱は攪拌せずに静置することで、過度な発展を抑えるようにしています。
これらすべての決断の目標は、個性的でありながら中身の詰まったワインー重さを感じさせずに強さを持ち、密度はありながらも軽やかさを感じるーという、私たちのホームであるシュヘイラムマウンテンを尊重し表現しています。
繊細で芳香な、このワインはフレッシュな白桃、香り高いタラゴン、火打石のようなミネラルで幕を開け、味わいは鮮やかで生き生きとしています。
お好みの食事と合わせたり、長い一日の終わりに飲んだりすると、このワインは喜びと満足感を与えてくれるでしょう。
畑:このワインに使用されているブドウは、ウィラメット・ヴァレー北部のLIVE認証サステイナブル・ヴィンヤードから収穫されたもので、そのほとんど(83%)が自社畑です。
これらの畑の標高は約84〜229メートルで、この地域の3つの主要な土壌、火山性土壌、海洋性堆積土壌、黄土レス土壌で栽培されています。
2022年ヴィンテージは、3月末の例年よりやや早い芽吹きで幕を開けました。
4月中旬に非常に珍しい凍結があり、全体的に収穫量が減少しました。
その後は冷涼で曇りがちな時期が長く続いたため、開花、ヴェレゾン、収穫よりかなり遅いタイミングとなりました。
こうして生き残った貴重なブドウの房は、ブドウの樹の全精力を注ぎ込まれ、その結果2022年のワインの凝縮感と深みは並外れたものとなりました。
ブドウは全て手摘みされ、優しく全房プレス。
果汁は酸素の取り込みを最小限に抑え、還元的に処理されました。
果汁は数日間落ち着かせた後、中程度の清澄度を保ちながらステンレスタンクに澱引きし、発酵を行いました。
熟成発酵初期に果汁はフレンチオーク樽に移され、228Lのバリック(80個)と500Lのパンチョン(11個)を組み合わせて一次発酵を完了させ、その後11ヶ月間樽熟成させました。
一次発酵後、100%マロラクティック発酵を行っています。
翌年の収穫の直前に、ワインは軽い澱とともに樽から澱引きされ、ブレンドされ、瓶詰めの前にさらに4ヶ月間タンクで熟成。
私たちのシャルドネにとって比較的長い熟成期間は、ワインに複雑さと深みを与え、瓶詰め前に各要素がシームレスに調和するのに役立ちます。
アデルスハイムは、「未知のワイン産地で世界に通用するワインを造る」という大きな夢と楽観的な精神から、1971年にウィラメット・ヴァレー北部のシュヘイラム・マウンテンズに設立されました。
創設者デイヴィッド・アデルスハイムは、当時まだほとんど知られていなかったこの地の冷涼な気候、多様な土壌と標高、そして土地の持つ可能性に惹かれ、ピノ・ノワールとシャルドネに特化した高品質なワイン造りを始めました。
AVA制度の確立、クローン選定、シャルドネ再評価の牽引、業界教育イベントの創設など、オレゴンワインの品質向上と国際的評価の確立において極めて重要な役割を果たし、現在もこの地域、そしてオレゴンワイン産業の発展のため精力的に活動しています。
デイヴィッドはワイン造りからは引退しましたが、その哲学は次世代に継承され、「次の50年」に向けて、ワインの品質、サステナビリティ、顧客体験、土地の個性、そして人を重んじる文化という5つの柱を軸にアデルスハイムは歩みを続けています。
LIVE認証を取得し、Wine & Spirits誌のトップ100に7度選出されるなど、品質と理念の両面で高く評価されており、地域とともに成長し続ける、オレゴンを象徴する造り手です。