冬はとても冷涼で、歴史的な寒波が2週間に渡り訪れました。春までは涼しく、適度な湿気のある気候が続きましたが6月末に観測記録となる46°Cの熱波が訪れました。灌漑をしていない畑は、玄武岩土壌で断熱性そして保水性があった為、ブドウへのダメージはなく、健康に育つことができました。この熱波により、うどん粉病の発生を抑えることが出来、高品質でとてもバランスのとれたブドウを収穫することが出来ました。2021年のアヴニーは、繊細で複雑性のある香りが広がり、その後、リッチなふくよかさが感じられます。風味豊かな香りの要因は、表土の薄いGeldermannSoilから得られるジョリー土壌、ネキア土壌からなるポマール・クローンや115クローンの芳醇なフレーヴァーからなります。幾つもの個性がレイヤーとなり、レッドチェリー、ブラックチェリー、紅茶、バラの花びら、うま味やミネラルの思わせるニュアンスが感じられ、まろやかで、柔らかなストラクチャーと長い余韻が続きます。
2021年のアヴニーは、我々が作ってきた中で、一番のいい出来と言える素晴らしい年となりました。自社畑のブドウを70%使用(30%は標高の高い区画、40%は標高の低い区画)しています。残りの30%は、ホープ・ウェルを含むエオラ・アミティ・
ヒルズにある近隣の最良のブドウ畑から調達されており、まろやかで風味豊かな特徴と複雑さをワインにもたらしています。手摘みで収穫された後、ブドウはミディアムサイズのステンレスタンクとセメントタンクで発酵を行います(18%全房発酵)。ワインは、フレンチ・オーク(新樽16%、旧樽84%)で12ヶ月間熟成、仕上がったワインは、澱と共にタンクに移し、瓶詰め前にさらに4ヶ月間熟成させます。全体の9%は、LSVブロック23から採れるPonziHeritagePommardcloneをマセラシオン・カルボニックにて醸造します。LinguaFrancaとは「共通語」を意味し、自分達のワインを通じて異なる文化や経歴を持つワイン愛好家に、喜びや感動を共有して欲しいという願いが込められています。全世界でわずか279人(2025年1月現在)しかいないソムリエ最高位のマスター・ソムリエの称号を持つ、シアトル出身のラリー・ストーン(LarryStone)が2015年に創立したワイナリーです。ラリーが、このリングア・フランカのコンサルティング・ワインメーカーとして選んだのが、ブルゴーニュ・ムルソーの偉大な造り手であるコント・ラフォン(ComtesLafon)の四代目当主ドミニク・ラフォンです。ラリーとドミニクはオレゴンのイヴニング・ランドで共にプロジェクトに携わり、今、ニューワールドのピノ・ノワールの聖地として名高いオレゴンで、ブルゴーニュの伝統とスピリットを基にワインを造る事に意気投合しました。そして、ワインメーカーとしてリングア・フランカのワインを造り上げるのが、オレゴンのイヴニング・ランドやブルゴーニュのドメーヌ・デュジャック、DRC等で栽培やセラーの仕事に携わったトマ・サーヴ(ThomasSavre)です。この3人のシナジーがリングア・フランカのコアのエネルギーの源となっています。およそ25haの自社畑は、イヴニング・ランドの畑から道を挟んで隣にあります。エオラ・アミティ・ヒルズAVAとして知られるこの辺り一帯は、ウィラメット・ヴァレーの中でも優良の産地として知られるオレゴン有数の一等地です。エオラ・アミティ・ヒルズの特徴は、水はけがとても良く表土が浅い火山性土壌と、ヴァン・ドゥーザー・コリドールと呼ばれる山並みが一旦切れる窪みから吹き込む、太平洋からの冷たい風です。果実味がしっかりと保たれ、酸からくる骨格が特徴的です。栽培はビオディナミをルーツとしたサステナブル農法を採用しています。ワインはオレゴンのテロワールに忠実で、果実がしっかりと香るエレガントなスタイルです。2016年に完成した壮大なワイナリーはポートランド在住の有名建築家ローレンス・フェーラー(LaurenceFerar)がデザインを手掛けました。現在では、栽培から醸造、瓶詰めまで全てを敷地内で行うエステート・ワインになりました。ラベルのアートはラリーの地元シアトルで活躍するアーティストの作品の数々が採用されています。