生産者名:SOTTIMANO (ソッティマーノ)
原産地呼称:D.O.C. BARBERA D'ALBA SUPERIORE
品種:バルベラ100%
産地:クッラ、バザリン(ネイヴェ)
醸造:葡萄は除梗後に軽く圧搾を行い、25日間マセラシオン。30℃の定温にて発酵後、フレンチバリックにてMLF。バリック(新樽率15%)にて15-16ヶ月間熟成。
JANコード:4582565760880
参考評価
ワイン・アドヴォケイト…92点(2010,2016,2019)、91点(2009)
色調は濃く綺麗な輝きの外観に複雑なアロマ。初めは甘く深い香りが感じられ、徐々に赤や黒果実スパイス、ハーブのアロマが広がります。余韻も長く酸味とストラクチャーのバランスが取れた味わいです。
「もし僕のワインをブラインドテイスティングで試飲して誰が造ったのかは分からなくてもいい。それよりもバルバレスコのクリュの特徴を理解してどこの畑のワインかを当てて貰える事の方がよっぽど嬉しい」栽培醸造家アンドレア・ソッティマーノが常々口にするセリフです。ソッティマーノ社は1975年にリーノ・ソッティマーノによって創立されたワイナリーです。2007ヴィンテージからはバローロよりも先駆けてクリュ・単一畑の法制化されたバルバレスコがリリースされますが、ソッティマーノはバルバレスコのプロモーションを行う公的機関「エノテカ・レジョナーレ・バルバレスコ」の副会長としてバルバレスコのクリュ制定に尽力してきた生産者です。スタート当初はバルバレスコのサブゾーンに“ネイヴェのコッタ畑”とワイナリーを購入しそこから徐々にクッラ、ファウゾーニ、パヨレ、バザリンと畑を買い足し現在は合計14haにまで広がりました。現在は息子のアンドレアと共にワイン造りを行っております。アンドレアは高校を出るとすぐフランス・ブルゴーニュへと渡り、現場でのワイン造りを体験します。その間にベルナール・デュガ・ピィなど、様々なブルゴーニュの生産者と交流を深め、後のソッティマーノのワイン造りを大きく変える知識を吸収しました。
ブルゴーニュを参考にしたテロワールと一流トネリエのオートクチュール・バリック
以前まではバルバレスコの生産者はテロワールという概念を持たずにワイン造りを行っておりました。しかし1970年代に俗に言う‘バローロ・ボーイズ’がブルゴーニュの生産者と積極的に交流を深める事で様々なブルゴーニュのワイン造りの知識を取り入れました。そこで最も影響を受けたのがテロワールの概念とバリックです。ソッティマーノもスタート当初は各畑の葡萄を混醸しておりましたが、1980年代に入るとクリュ毎にワインを造り始めます。また、伝統的な大樽熟成も徐々にバリックに切り替え始めました。アンドレアがブルゴーニュから戻った1990年代から本格的にバリック熟成を導入しましたが、当初はあまりバリックが上手に使えず思った様にワイン造りが出来ませんでした。アンドレアはフランスでの修行時代に知り合った生産者達に相談をするうちに、あるトネリエ(樽職人)を紹介されます。そのトネリエとはDRCを初めとする一流ドメーヌに小樽を納入する‘フランソワ・フレール’でした。そしてフランソワ・フレールを紹介したのは親友のベルナール・デュガ・ピィです。「フランソワ・フレールと取引ができたのはラッキーだった」とアンドレアは言います。普通、樽メーカーはまず始めに「どれだけ樽を買ってくれるの?」という質問から切り出してきます。しかしフランソワ・フレールはまずアンドレアに「今どういったワインを造っているのか?」と質問しました。そしてソッティマーノのワインを全て試飲した上でどういったワインを造りたいかを綿密な話し合いを行ないソッティマーノに樽を納入する事を決断しました。フランソワ・フレールの樽に使われる材料は1種類ではなく造りたいワインに合わせて3~5種類組み合わせます。そしてトーストの加減もワインに合わせて手作業で行ないます。ソッティマーノのバルバレスコはフランソワ・フレールの樽を使うようになり、以前はクリュ毎に新樽率や醸造方法を微妙にかえていましたが、現在は4つのクリュ全て同じ醸造方法で醸造を行い、ワインのキャラクターをテロワールから得られる個性によって差別化出来るようになりました。余談ですが、現在フランソワ・フレールが収穫後のイタリアに渡りワイナリーを訪問するのは、サン・グイド、オルネライア、ガヤそしてソッティマーノの4件だけです。フランソワ・フレールは毎年、ソッティマーノのワインだけの為に様々な産地のオークを組み合わせてバリックを造ります。ワイナートの取材では「オートクチュールのバリック」と表現しています。
テロワールに献身的な畑仕事
ソッティマーノでは極自然なワイン造りを行う事も特徴に挙げられます。父親の代から畑では化学薬品を一切使わず自然界にあるものだけで葡萄を栽培します。化学薬品等を使う事によって一番ダメージを受けるのは栽培家。そこに住む自分の家族とその周りの環境を守ろうとすれば必然的にこういった栽培方法になります。当然畑の作業は大変になりますが、それがソッティマーノでは当たり前のライフスタイルなのです。醸造においても発酵にセレクトイーストは一切使わず野生酵母のみを仕様、濾過や清澄も一切行いません。
2014版ガイド掲載文抜粋
ビベンダ(旧ドゥエミラヴィーニ)
5グラッポリを獲得したのはコッタ2010とリゼルヴァ2008の2本。それ以外も非常に良く出来ています。ネッビオーロやバルベーラは存在感があり、ドルチェットやブラケットは非常に飲みやすい。そしてバルバレスコはどれも個性的。自然へのリスペクト、畑や醸造所への丁寧な仕事の結果です。ソッティマーノはこのエリアを代表する生産者です。
ガンベロ・ロッソ
ソッティマーノのワインについて、ワインラバーや評論家は「一見バリックを使いモダン・バローロに思われるが、長いマセラシオンやクリュごとの醸造のこだわりなど、伝統を尊重している」と口をそろえて言います。今年はパヨレ2010がトレ・ビッキエーリを獲得。レベルが非常に高く、葡萄品種の特徴を完璧に表現しています。その他試飲した全てのソッティマーノのワインが素敵でした。
ワイン・アドヴォケイト#203
ソッティマーノがバルバレスコのトップ生産者の地位を確立する為に行なってきた素晴らしい努力を、私はどのように表現すればよいだろう。ここはピエモンテでも数少ない、全てのワインが一貫して美味しい生産者です。
アントニオ・ガッローニ絶賛のバルバレスコ
ソッティマーノの中で最もネイヴェらしいハーブのニュアンスが感じられる「ファウゾーニ」。同じネイヴェでもバルバレスコ・エリア寄りで力強い「クッラ」。ネイヴェのハーブとトレイゾのスパイシーさ、バルバレスコの力強さを備えた「コッタ」。トレイゾらしいスパイシーさが特徴の「パヨレ」全てのクリュに個性があります。