まず初めにネクタリン、スイカズラ、ナデシコの花のようなうっとりするような香りにあふれ、アプリコット、白桃、メイヤー・レモンのジューシーな香りが続きます。
口に含むと甘美な質感が広がり、生き生きとした爽やかな余韻が残ります。
畑:フリーダムヒル1982年にワイン栽培に興味を持っていたダンとヘレン・ドゥシェ夫妻が初めてこの地にブドウを植えました。
そして1985年初収穫、そして初めてワインを醸造した86年からケンライトは彼らのブドウを購入しつづけ家族ぐるみの付き合いをしています。
畑はセイラムの北西、ダラスの町の南の南東の緩やかな斜面にあります。
標高は170mから183m堆積した海底が隆起した土壌で一般的にこの地域で最も古いものの一つと言われています。
この畑から出来るワインは非常に骨格がしっかりとしており、長期熟成も期待されます。
またこの辺りは2020年にマウント・ピスガーAVAとして申請がなされており、2022年にマウント・ピスガー・ポーク・カウンティ・オレゴンAVAと認定されました。
この年の収穫量は平均3トン弱で、生育期間中に記録的な暑さに見舞われた割には完璧でした。
夏場の乾燥により病害は皆無で、発酵も完璧に進み、一度も脇道にそれることなく、無事に終了しました。
ケン・ライトは2015年にオレゴンで初めてワインスペクテーターの表紙に取り上げられ、オレゴン・ピノノワール業界におけるその功績と地元での慈善活動が9ページにわたり紹介されました。
シングルヴィンヤード・ワインを得意とし、40年にわたり世界中で彼のワインは称賛され続けています。
ピノ・ノワールという品種は私たちの知るどの食べ物とも飲み物とも異なり、私たちと「畑・大地」を結びつける素晴らしい力を持っています。
それはまるで真っ白なキャンバスのようにブドウがそれぞれの土地の香りやフレーバーを吸収し表現するとケンは語ります。
ウィラメットヴァレーAVAは全て同じではなく、サブAVAを制定し、細分化の必要性を最初に説いたのもケンでした。
ケン・ライトがいなければ、今日のオレゴン・ピノノワールがここまで特殊性を持つこともなかったでしょう。
ケンはピノノワールの個性と土壌の関係性も明確にしており、海洋性堆積物土壌のピノはフローラルでスパイスにフォーカス、火山性堆積物の土壌ではより果実味に富んだワインに仕上がる傾向にあると述べています。